睡眠不足の日は、日中に強い眠気に襲われる
睡眠の悩み体験談

M.I さん

M.Iさんは、20代のときに不整脈の診断を受けたことをきっかけに、睡眠について意識するようになりました。最近は十分な睡眠時間を確保できない日が増え、日中に強い眠気を感じる日があるのが悩みだそうです。エーザイ社員が睡眠の悩みについてお伺いしました。

※この記事は個人の経験、体験を元に作成しております。

近影:M.I さん

睡眠不足が、不整脈のリスクに

睡眠の悩みはありますか

24、25歳のときに不整脈と診断されてから、睡眠について意識するようになりました。といっても、不整脈自体は治療を要するほどではなく、医師の説明によれば「気持ち的な問題」とのことでした。

ただ、睡眠不足が不整脈のリスクになると注意を促されたことには、ドキっとさせられました。実際に寝不足の翌日に、ヒャッヒャッ――と心臓がしゃっくりをしているかのような発作を経験したことがあったからです。このときから「睡眠には気をつけないといけない」という漠然とした不安が、頭の片隅にずっとあるような感じです。

不整脈と診断される前は、睡眠について悩んだり、不安を感じたりしたことはなかったのですか

まったくなかったです。強いて言うなら、自分が徹夜には向かない体質だとは感じていました。若いころは朝まで遊ぶこともあったのですが、友人たちが夜を徹してカラオケなどを楽しんでいる傍ら、私はだいたい一足先に寝ていました。周りと比べて自分は眠くなるのが早いなとは思っていましたが、悩むほどのことではなかったです。

睡眠不足と不整脈の関係を知ってから、考え方や生活に変化はありましたか

とにかく睡眠時間は確保しようと考えるようになりました。それまでは、寝たいときに寝る、疲れたら寝る、すべきことがある場合は夜更かしもするという生活で、かなり自由だったと思います。日付をまたいで起きていることも少なくありませんでした。不整脈と診断されてからは、23時に就寝し、7時に起床する生活を、すべきことがあってもなるべく睡眠時間は犠牲にしないように努めてきました。

より良い睡眠のために心掛けてきたことはありますか

不整脈の診断をきっかけに規則正しい睡眠を意識するようになりましたが、それ以前から、入浴時は湯船に長く浸かる、湯冷めをしないようにする、寝る前にふとんでストレッチをする、湯たんぽや加湿器を使うといったことは心掛けていました。どれも睡眠を意識して始めたことではないのですが、結果的に睡眠に良い影響を与えていたかもしれません。

個人的にはストレッチ、特に腰を上げるストレッチが、よい眠りにつながっている実感があります。まずふとんで仰向けになり、少し足を開いて膝を立てます。次にその高さまで腰を持ち上げます。浮かせた背中の後ろに両腕を収め、肩甲骨をぐーっと開いてほどきます。このときに体がふとんに沈み込んでいく感覚がとても心地良く、その後の寝つきもよくなった気がします。

ほかにも寝つきをよくするということに関しては、ぬいぐるみを枕元に置いて寝ています。夜中に足が冷えて目が覚めることがないように、冬場はレッグウォーマーを履いたまま寝ることもあります。

あと、私は枕難民です。首の後ろのカーブにぴったり合う枕を探しているのですが、長い間、見つけられずにいます。出産を経験し、子どもと一緒に寝るようになって、不自然な姿勢で寝ていることが増えたからか、起床後に体に痛みを感じるようになったことがきっかけです。これまで何度も枕を変えていますが、程度に差はあれども、どの枕も寝ている間は顎を引くか、突き出した状態になってしまいます。しっくりくる枕を見つけたと思っても、フィットしているのは最初だけ。動くと変形してしまいます。自分に合う枕というものがあるのなら、早く見つけたいです。

睡眠不足の日は、日中に強烈な眠気

23時に就寝して、7時に起床する生活は現在も続けていますか

いいえ。なるべく23時に就寝するように努めていますが、できない日も少なくありません。息子は中学生なのですが、塾がある日は帰宅するのが22時です。23時にはふとんに入ろうという話はしていますが、過ぎてしまうことも多々あります。

塾や習い事がない日は22時半には寝たいところですが、それもなかなか思い通りになりません。息子が宿題をしていたり、夫が仕事をしていたりすると、なんとなくお付き合いしてしまいます。本を読んだり、スマートフォンのゲームを楽しんだりしていると、気づけばもう23時です。

就寝する時間はあまり変わっていないのですが、起床時間はだいぶ前倒しされました。息子の朝練がある日は5時半起きです。23時就寝だと、20代のときと比べて1時間半ほど睡眠時間が少なくなっている計算です。

睡眠不足が日中の生活に影響を及ぼすことはありますか

あります。今日は息子の朝練があったので5時半に起きたのですが、日中に強い眠気がありました。ちなみに一昨日まで定期テストのため部活がなく、朝はゆっくりだったので、眠気を感じることなく過ごせました。

睡眠が足りていないと、日中に突然、強い眠気に襲われることがあります。車の運転中ならば、すぐに休憩しなければならない強さです。目が重くなるという表現そのままに、どんどん瞼が下がってきて、はっきりと見えていた景色の輪郭がぼんやりしてきます。ソファに身を預けようものなら、すぐに寝てしまいます。

この睡魔は本当に困りものです。頭の回転が明らかに遅くなり、順序立てて物事をこなすことが難しくなります。フルタイムではありませんが、私はネイリストの仕事をしています。手際よく施術をしなければ、拘束時間が長くなり、お客様に迷惑をかけることになりかねません。

幸いなことに、しっかりと睡眠をとれば眠くなることはありません。また短時間でも仮眠をとれば、頭はクリアになります。今日も午前中に10分ほど仮眠しましたが、その後はスッキリと動けました。

自身の理想の睡眠時間はどのくらいでしょうか

先日、睡眠の専門家から話を聞く機会がありました。先生が言うには、「成人の平均的な睡眠時間は7時間程度」とのことでした。

私の場合、5時間程度しか寝ていない日は日中に眠気が出やすくなります。一方で、7時、8時まで寝ていた日は、問題なく1日を過ごせます。先生の話も考慮すると、欲を言えば8時間、せめて7時間は寝たいと思っています。

専門家の話で、睡眠時間以外で印象に残ったものはありましたか

一つは、寝不足だと食欲が増すホルモンが分泌されるという話です。寝不足のときにお腹がすく経験は何度もしていましたので、そういうことだったのかと合点がいきました。それから、起床後に光を浴びることが大切だということは漠然と知っていましたが、蛍光灯では弱く、太陽光でなければ睡眠への効果が期待できないという話も印象に残っています。太陽光を浴びることが、頭や体を覚醒させるだけでなく、約15時間後に眠気を誘うホルモンを分泌させる、夜の眠りにも作用しているというのも驚きでした。

専門家の話を聞き、生活に変化はありましたか

何かを大きく変えたということはありません。改善したほうがよいとわかっていながら、続けていることもあります。たとえば私はダンスを習っているのですが、夜のクラスしかなく、終了するのは21時です。遅い時間の運動は入眠を妨げることもあるそうですが、確かにレッスンで新しい振付を試したときは、帰宅後も楽しい気持ちが残っていて目が冴えてしまい、なかなか寝られません。

変化というほどではないかもしれませんが、今後の目標として、睡眠時間を7時間確保しようという意識は話を聞く前よりも強くなりました。また、以前は17時、18時でもコーヒーを飲んでいましたが、夕方以降はカフェインを控えるようになりました。飲むとしてもノンカフェインのものに切り替えています。

2024年2月エーザイ本社