睡眠薬は他の薬と飲み合わせても大丈夫?
相互作用について

不眠症の方では、睡眠薬以外にも生活習慣病など身体疾患や精神的疾患などの
薬剤を服用されている方も多いと思います。
複数の薬剤の服用によって、その効果や副作用が増強や減弱することがあります(薬物相互作用)1)

更新日:2023/7/24

記事監修

大阪回生病院 副院長

谷口 充孝 先生

1 睡眠薬の相互作用

薬剤は主に肝臓で代謝されて薬剤の作用がなくなるものと、腎臓から排出される薬剤があります。睡眠薬はほとんどが肝臓で代謝されるため、肝臓で代謝に関わる酵素(CYP※)が共通した薬剤と併用する場合には注意が必要となります2)。睡眠薬の種類によっては、抗真菌剤や抗菌剤、抗うつ薬などとの併用が禁忌とされている薬剤や、睡眠薬を通常の服薬量より少なくすることで服用が可能な場合もあります。他の医療機関で薬剤の処方を受けていたり市販薬や健康食品を服用されていたりする場合には、必ず医師や薬剤師にその情報をお伝えくださいますようお願いします。

  1. ※ CYP:シトクロムP450(Cytochrome P450)のこと。主に薬物代謝酵素として働き、身体が取り込んだ薬物を酸化反応により分解し、体外に排出しやすい形にする酵素群の総称です。
  1. 1)三島和夫 編集:睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン, じほう, P.153-154, 2014
  2. 2)仙波純一・松浦雅人・太田克也 監訳:ストール精神薬理学エセンシャルズ 第5版 - 神経科学的基礎と応用. メディカル・サイエンス・インターナショナル, P.59-60, 2023