目の下のくまはなぜできる?

朝起きて鏡を見たら目の下がいつもより黒みがかっている。
多くの人が経験したことがあるでしょう。
目の下の“くま”です。
くまは、一般的に睡眠不足や疲れているときなどにできやすいというイメージがありますが、
そもそもなぜ目の下の色が変わるのでしょうか?

更新日:2023/02/14

記事監修

スリープ・サポートクリニック

林田 健一 先生

1 目の下にくまができる理由

くまは、目の周り、上下のまぶたやその一部が黒みがかっている状態のことをいいます。多くの場合、目の下に現れます。

原因と考えられているのが、血流やメラニンの影響です。10代~50代の女性200人を対象とした調査では、くまの目立つ女性の眼下部では、皮下の血流停滞やメラニンの増加が生じていたと報告されています1)。血行不良などによるうっ血に加え、眼下部は特に皮膚が薄い部位であることが、くまの発生に関わっているとの意見もあります2)

2 くまの種類と睡眠の関係

睡眠不足やスマートフォンなどの長時間使用による目の疲れは、血行不良を招くことがあります。目の周りの血行が悪くなると、血液の酸素濃度が低下し、黒みを帯びた毛細血管が目の下の薄い皮膚から透けて見えます。これがくまであり、美容皮膚科など美容業界では、その見た目と色味から「青くま」と呼ばれています。

くまは青くまのほか、「茶くま」と「黒くま」もあります。これらも見た目にもとづいた呼び方で、茶くまは目の周辺の皮膚の色素沈着、黒くまは加齢による皮膚のたるみが原因とされてます。この2つと青くまとの見分け方は目の下の皮膚を引っ張ってみること。青くまは、皮膚そのものの色が変化したわけではないので、くまの色味が薄くなります。

3 くまを予防する方法

青くまを予防するには、目の疲れをためないことが第一です。たとえば寝不足が続いているなら、睡眠時間を確保する必要があります。できてしまったくまに対しては、目の周りをマッサージしたり、温かいタオルで目元を温めるなど、目の筋肉をほぐしたり、血行を促進するとよいでしょう。

注意したいのは、睡眠不足によるくまの背景に、何らかの病気が潜んでいるケースです。夜なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目覚めたり、日中に強い眠気などがある場合は、不眠症の可能性もあります。その場合は自分だけでなんとかしようとせず、医師に相談しましょう。

  1. 1)舛田勇二ら.: 日本化粧品技術者会誌. 2004; 38(3): 202-210
  2. 2)松本雅之ら.: 日本化粧品技術者会誌. 2000; 34(2): 152-159