過眠症/過眠障害とは

「昼間、眠くて仕方がない」という状態をきたす過眠症には、いくつかのタイプがあります1)

1 過眠症とは1)

日中に強い眠気が生じ、目覚めているのが困難な状態を過眠症と呼びます(反復性過眠症以外は3ヶ月以上続いているときに疑われます)。健康な人でも体内時計の影響で午後に眠気を感じることはありますが、集中力の著しい低下や居眠りのため、仕事や勉強などの日常生活に支障をきたす場合は過眠症と考えられます。

2 過眠症の疫学

20歳以上の日本人の15%が昼間の眠気を自覚しているとされています2)

3 過眠症の種類

代表的な過眠を呈する疾患として以下の4つのタイプを解説します。

3-1 ナルコレプシー

ナルコレプシーの眠気は非常に強く、会議中、試験中、危険な作業中など、ふつうなら居眠りするとは考えられない状況でも我慢できない睡魔におそわれ、眠りに落ちてしまうことがあります。居眠りは10~20分程度のことが多く、目覚めたときに爽快感が得られるのが特徴です。過眠に加え、突然、体の力が抜けてしまったり、寝入りばなに金縛りにあったり、リアルで怖い夢(幻覚)を見たりすることがあります。

3-2 特発性過眠症

いったん眠り込むと目覚めるまでに1時間以上かかることが多いのが特徴です。ナルコレプシーとは異なり、目覚めたときに爽快感はありません。夜間の睡眠が11時間以上と長い人もいます。

3-3 反復性過眠症

数日~数週間の強い眠気の期間と、まったく症状のない期間が、繰り返し出現するのが特徴です。過眠の症状が出現する周期は少なくとも1年半に一回は繰り返されます。感染や飲酒が引き金になる場合もあります。

3-4 睡眠不足症候群ではないか

本来健康な人でも、短時間の睡眠が慢性的に続くと、過眠症の症状がみられる場合があります。睡眠不足症候群と呼ばれるもので、特に働いている若い人は、睡眠不足を自覚していないことも多いので注意が必要です。毎日必要な睡眠時間は人それぞれなので、その人にとって十分な睡眠をとることで日中の眠気が解消するかを確認します。

4 過眠症の診断(除外診断)

日中の強い眠気の原因が、過眠症なのかを見分けることが大切です。

4-1 薬や心の病気の影響はないか

風邪薬や抗アレルギー薬などの薬を服用することが眠気をもたらすことがあります。また、うつ病などの心の病気で眠気を訴える場合もあります。

4-2 睡眠時無呼吸ではないか

睡眠中の体の症状が深い眠りを妨げ、日中の眠気を引き起こしている場合があります。代表的なのが睡眠不足症候群です。睡眠中に何度も呼吸が止まるため、質的にも量的にも十分な睡眠がとれず、日中に眠気が出現する場合があります。

5 まとめ

日中の我慢できない眠気や居眠りが3カ月以上続くような場合は、過眠症の可能性が考えられます。早期に医療機関を受診することをお勧めします。

  1. 1)古池保雄 監修:基礎からの睡眠医学, 名古屋大学出版会,p.264-271, 311, 2010
  2. 2)Liu X, et al: Psychiatry Research 93: 1-11, 2000